フリーゾーンでの法人設立検討のためにドバイに行ってきました

1月の話になるのですが、フリーゾーンでの法人設立検討のためにドバイに行ってきました。

 

フリーゾーンとは、アラブ首長国連邦が設けている特区の制度で、フリーゾーンで法人を作ると、法人税の負担がなく、海外事業や国際投資を行うための中間拠点の会社等として使い勝手の良い会社となります。

 

フリーゾーンはアラブ首長国連邦内に数十箇所存在し、フリーゾーンによって行える業種が異なったりしますが、今回は、金融業のための法人設立の検討が目的であったため、DIFC(Dubai International Financial Centre、ドバイ国際金融センター)を訪問して来ました。

 

DIFCの外観

DIFCの外観

DIFC周辺の建物群

DIFC周辺の建物群

海外で税金がかからない会社というと、本当に全く税金が掛からないように思われるかもしれないですが、世の中そんなに甘くはないです。日本にいる限りは、どこの国を使おうと、基本的には日本で普通にかかるのと同程度の税金は発生するものと考えておく必要があります。

 

しかし、それでも法人税のかからない法人をドバイに作れると、租税条約が結ばれていないといった関係上、実質的に二重課税が発生するといった心配が避けられるケースもあり、今回の法人設立の検討へと至りました。

 

フリーゾーン内に法人を設立すると、確かに利益に連動して発生する法人税は無税となるのですが、日本の均等割に当たる、毎年必ず発生する税金が、以下全て為替レートにもよりますが年間140万円程度。その他、フリーゾーン内にオフィスを持つための家賃が最低クラスでも年間500万円程度。さらに、現地の会計事務所等への管理委託料等まで考えて行くと、下手すると年間1千万円コースの維持費が必要となってきます(他のフリーゾーンを使う場合は維持費はもっと安くて済みますが)。

 

これに見合う節税効果が出るには、相当の投資額や事業規模が必要となります。

 

海外を使って節税を夢見るのも、そう簡単ではないというお話でした。

2017年税制改正と相続対策の封じ込め(国内編)

配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが騒がれている平成29年度与党税制大綱ですが、相続税、贈与税といった、いわゆる資産税関連で、これまで節税対策として行われてきた一部の節税策を封じこめるために、目立った改正がなされています。

 

今回は、そのうちの海外関連以外の改正について取り上げます。

 

海外関連以外の改正で、相続税、贈与税の節税対策を一部封じ込めることとなる改正ポイントとしては、目立つもので以下の3つが挙げられます。

 

第一として、取引相場のない株式の評価の見直しが行われます。具体的には、類似業種比準方式による評価について、これまで、純資産、利益、配当の評価の比重が1:3:1であったのが、1:1:1に改正されます。

結果、これら3つの要素の中で一番調整が行いづらい純資産の評価の比重が従来の1/5から1/3と上がることとなり、例えば、利益及び配当の金額を調整し、株式の相続税や贈与税上の評価が下がったタイミングで株式を贈与する、といった節税手法に対して節税のメリットが減退することになります。

 

第二として、広大地の評価の見直しが行われます。広大地とは、おおざっぱに言えば、三大都市圏で500平米、それ以外の地域で1,000平米以上の土地のうち一定のものを指します。広大地に該当すると、広大地でない土地と比較して、大体45%から65%という大幅な評価を引き下げた上で、相続税や贈与税の税額計算を行うことが出来ます。

この広大地の評価方法につき、見直しがなされることとなりました。

 

第三として、いわゆるタワーマンションの評価の見直しが行われます。これまで、タワーマンションの高層階については、実際の時価と相続税、贈与税の計算で用いられる評価額に大幅な乖離があり、それを利用した節税が広く普及していました。これに対し、タワーマンションの建物の相続税、贈与税上の計算で用いられる固定資産税評価額の計算について、建物階数を要素として入れ込むことで対策がなされるととなりました。

今後取得されるタワーマンションについては高層階の相続税、贈与税上の評価が上がることとなります。

 

次回は、海外関連について取り上げます。

東京での富裕層向けサービス勉強会のサテライト会場試験運用

先日、東京で行われている富裕層向けサービスを中心とした勉強会の、福岡のサテライト会場の試験運用を行ってみました。
 
富裕層向けサービスについての首都圏と福岡の情報格差を埋めたいというのは、私が福岡に帰ってきてからいつかは実現したいと考えておりました。東京で勉強会を主宰されている方々、そして、この勉強会を福岡でも行おうと私を誘って下さった方々には、感謝するのみです。

今日の勉強会では福岡の弊所の会議室以外にも、大阪、シンガポールとも繋がっておりました。技術進歩の恩恵を切に感じます。
 
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相続された家が空き家のままの方へ ~譲渡所得の優遇措置が創設されました~

今年(平成28年)の4月1日から平成31年12月31日までの間に、被相続人の方がお亡くなりになられてそのまま空き家になっていた土地等を売却した場合、一定の要件を満たせば、個人の税金の計算上、売却益のうち3,000万円までを控除出来る制度が創設されました。

不動産の譲渡の際の税率は、計20.315%となるケースが一番多いかと思います。
売却益のうち3,000万円を控除出来れば、税率が20.315%の場合、600万円強、税額が安くなります。

この特例を利用できる具体的な主な要件ですが、

  • 譲渡のタイミングが相続開始日から3年を経過する日である年の年末までであること。
  • 相続または遺贈により引き継いだものであること
  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • マンション等区分所有の建物ではないこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられたタイミングで、被相続人のみがお住まいであったこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられた後、ずっと空き家であったこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、取り壊し済みの土地を貸したり、事業で使ったり、住んだりしていないこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、その後更地のままであること
  • 家屋を取り壊さず土地家屋をセットで譲渡する場合は、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる一定の 基準を満たしていること
  • 譲渡対価が1億円以内であること

などとなっています。

 

なお、この特例を利用する場合、この特例を受ける旨その他必要事項を記載等の上、確定申告を行う必要があります。

その他細かい注意点もございますので、具体的に相談をなされたい方は税理士等へご相談されることをお勧め致します。

今年より拡充されたNISAと、その注意点

NISAの制度が今年2016(平成28)年より改正され、利用対象者及び上限額について拡充が行われました。

 

NISAとは、少額投資非課税口座を開設してその口座内で上場株式、ETF,REITや株式投資信託等を購入すると、配当金や売却益などが、非課税となる制度です。

平たく言えば、少額の投資についてこの制度を使えば、儲かっても税金がかからなくて済むという制度です。

 

昨年の平成27年までは、1人年間100万円分の購入分までについて利用することが出来ました。これが、今年平成28年より1人年間120万円分の購入分まで利用することが出来るようになりました。

 

ちなみに、このNISAの制度。現在のところ期間限定です。平成35年までこの制度の存続が予定されており、平成35年までの残り8年間にわたって毎年120万円分を上限に上場株式や株式投資信託を購入して利用することが可能となっています。

 

また、ジュニアNISAと呼ばれる制度が新しく始まり、これまでこの制度を利用できなかった、0歳から19歳までの未成年も年間80万円を上限にこの制度を利用することが出来るようになりました。

 

 

NISAの注意点ですが、従前からの注意点については以前「日本版ISA NISAの上手な活用方法を考える」で取り上げましたので、こちらをご覧頂ければと思います。

 

さらに、今回新たにスタートするジュニアNISAの場合、上場株式等の購入資金の原資についても注意する必要があります。

具体的には、ご本人がもともとお持ちの資金を原資に投資を行うのではなく、例えばお爺さんよりお金をもらってなど、他の方から資金を貰ってジュニアNISAを利用した投資を行う場合、貰った資金について贈与税の非課税限度枠を超える場合は、通常の贈与と同様贈与税が発生することになります。

 

ジュニアNISAの上限額は年間80万円のため、贈与税の非課税限度枠を超えることはないと考えられる方もおられるかと思います。しかし、例えばジュニアNISAのために80万円、その他に100万円、と年180万円を贈与した場合、合算して贈与税の申告を行い納税する必要があります。

このことは、ジュニアNISAにだけでなく通常のNISAであっても同じです。しかし、ジュニアNISAの場合、資金の贈与とセットで行われる場合が多いと考えられるため、とくに注意しておく必要があります。

今年4月からの減価償却制度の改正と、その注意点

今回平成28年度の税制大綱において、平成28年4月1日以降に取得する一部の固定資産につき、定率法による減価償却が出来なくなることが発表されました。

今回税制改正の対象とされている固定資産ですが、建物付属設備及び構築物とされています。建物付属設備とは、おおざっぱに言えば建物と一体で使う設備のことです。建物の電気設備、給排水設備、エレベーターといったものが具体例としてあげられます。構築物とは、おおざっぱ言えば土地に固定させて作るもので建物のように壁がないものです。例えばへい、花壇、道路の舗装といったものが具体例としてあげられます。

これにより、今後は減価償却の方法が定額法に一本化され、税法上早期に取れる償却額が減少することとなります。

 

定率法による償却で早めに減価償却費の計上を行いたい場合、いまから駆け込みで来月3月末までに取得を行う必要があります。

 

しかし、ここで注意点があります。

 

今回の税制改正で、全ての固定資産について定率法による償却が行えなくなる訳ではありません。

例えば自動車であったり、機械や備品といった、建物付属設備や構築物に該当しないものは平成28年4月以降に取得したとしても、これまで通り定率法での償却をおこなう事が可能です。また、建物については既に減価償却の方法が定額法に一本化されています。

 

また、定率法での減価償却を行うには、平成28年3月中に「取得」しなければなりません。なので、3月までに発注だけでなく「取得」まで行えるよう、スケジュールを考える必要があります。

 

もっとも、定率法であっても定額法であっても、時期の早い遅いはありますが、最終的に減価償却を行えることには違いがありません。

従いまして、ケースにもよりますが、建物付属設備や構築物の取得の計画がある方でも、無理に3月中に取得出来るように動くだけの価値があるかと言えば、そこまでの価値がない方も多いのではと思います。

 

※その他、一部鉱業用減価償却資産の減価償却方法も、同日以降に取得する場合につき改正がなされていますが、こちらにつきましては割愛させて頂きます。

タワーマンション(タワマン)節税の監視強化の報道を、軽く解説してみました。

先日、タワーマンション節税に対する相続税節税の監視強化について各メディアで報道がなされました。

 

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO93575700S5A101C1CR8000/

http://www.asahi.com/articles/ASHC254R6HC2UTIL02C.html

http://www.sankei.com/life/news/151104/lif1511040025-n1.html

 

 

この報道について、税制が変わったといったとらえ方をされている方も多いかと思います。

 

しかし、実はそうではありません。この報道以前から、タワーマンションを利用した過度の節税で否認がなされた話は耳にしていました。各種報道にあるとおり、「チェックを厳しく」「監視強化」と言う話に過ぎません

 

相続税は、相続する財産の評価額に応じて税額が課される税金となっています。

そして、その財産の評価について、法律上は相続税法上第22条の「時価」で評価しましょう。という条文がほぼ全てであったりします。

 

タワーマンションが相続税の節税になる。相続税を計算する際に評価が安くなる。といった話は、相続税の計算にあたり時価をどう計算するかを具体的に取り決めた「財産評価基本通達」という、いわば役所の中での取り決めごとに基づいた話となります。

 

しかも、「財産評価基本通達」の6で、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」。平たく言えば、「この「財産評価基本通達」という役所の中の取り決めごとに従った計算結果が「時価」とは呼べないような結果の場合には、役所の中の取り決めごとに従った評価を行わなくていいよ。」という定めがおかれていたりします

 

相続税の節税(相続税以外の税金でもそうだとは思いますが)は、テクニック論のみで行うべきものではありません。なぜそうなるのかといった趣旨の理解やバランス感覚なく、法の抜け穴感覚で過度の節税を行おうとすると思わぬ落とし穴に陥ることになります。

備品や設備の購入で税金が安くなる!「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」

「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」という制度が、平成29年3月31日までの期間限定で設けられています(もっとも、今後延長される可能性もあります)。

 

 

この制度は、商業・サービス業等を営む中小企業者等が認定経営革新等支援機関等からの助言・指導のもとに経営の改善に貢献する設備を取得した場合に、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除を受けることができる措置です。

 

例えば、対象となる設備投資を500万円行う場合、この制度を利用すれば35万円税金が安くなります。

 

 

なお、税額控除を利用する場合は事業年度の税額の20%相当額が限度となります。限度額を超えた税額控除額がある場合、未控除分を翌年まで1年間繰り越すことが可能です。

 

 

対象者ですが、個人事業主と大企業ではないほとんどの法人が利用可能な制度となっています。但し、青色申告書の提出は必須となります。

 

 

対象となる業種は、卸売業、小売業、情報通信業、不動産業、専門サービス業、広告業、飲食店業、洗濯・理容・美容・浴場業、社会保険・社会福祉・介護事業、その他一定のサービス業等と、幅広い業種が対象となっています。

 

 

対象となる経営改善設備は、1台又は1基の取得価額が30万円以上の器具及び備品と、1台の取得価額が60万円以上の建物付属設備となっています。

具体的には、事務机、事務いす、キャビネット、応接セット、冷蔵庫、PC、コピー機、カメラ、看板、自動販売機、冷暖房設備など、非常に幅広い設備が対象となっております。

 

なお、中古品は対象外となっております。

 

 

ちなみに、弊所も認定経営革新等支援機関となっており、弊所の助言・指導を受けて要件を満たす経営改善設備を取得すれば、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除の優遇措置を受けることが出来ます

 

ご相談をご希望される方は弊所(092-791-5387)までお電話か、当サイトのお問い合わせフォームより「商業・サービス業・農林水産業活性化税制相談の件」の旨ご記載の上、お問い合わせ下さい

夫婦間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除と、その注意点

ご結婚されて20年以上の夫婦について、夫婦間でご自身が住まわれる不動産の贈与を行われる場合、贈与税の申告上、通常の年額110万円の控除に加え最高2,000万円まで贈与の金額から控除できる制度があります。これを、夫婦間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除と呼んでいます。

 

具体的には、夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に、居住用不動産の贈与を行うか、居住用不動産を取得するための金銭の贈与を行ってその翌年の3月15日までに居住を開始、その後も引き続き住み続ける見込みであるある場合に、贈与税の申告の際に贈与額から、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除を行うことが出来ます。つまり、2,110万円まで贈与税が課されることなく贈与を行うことが出来ます。

 

さらに言えば、この制度で不動産の購入資金でなく不動産自体を贈与する場合、贈与税を計算するさいの不動産の評価額は通常実際の時価よりも安くなります。よって、不動産の形で贈与を行う場合、実際の非課税限度額は通常2,110万円よりも大きくなります

 

ここで注意しなければならない点が、この制度を利用することで贈与税は安くなりますが、不動産の所有者が変わることによる登録免許税、不動産取得税は通常通り課税されることです。登録免許税、不動産取得税は贈与より相続の場合の方が安く済みます。よって、将来相続税が発生しない場合は、税額負担という観点で言えば、あえてこの制度を利用しない方がトータルで支払う税金は安くなることになります。

 

その他の注意点としては、この制度は同じ配偶者からの贈与については一生に「一度」しか適用を受けることが出来ないこと。また、この制度を利用する場合は一定の添付書類をそろえて贈与税の申告を行う必要があることなどが挙げられます。