モザンビークに出張して来ました

今月は、国際税務の業務でモザンビークに出張して来ました。

モザンビークは、租税条約を締結している相手国が10カ国程度しかなく、普段日本で仕事を行っている私としては、新鮮な衝撃でした。

日本とも租税条約は締結されていないです。

もっとも、UAEのみに限定されますが、UAEとの租税条約では配当と利子の源泉税が0%となっており、UAEと取引を行う分には使い勝手は良いです。

モザンビークの件は、気が向けば引き続き取り上げていこうと思います。

福岡市への納税をクレジットカードで行えるようになりました

平成28年分の税金より、国税のみでなく、福岡市への納税もクレジットカードにて行う事が出来るようになりました。

クレジットカードでの納付が可能となった税の税目ですが、

 ・軽自動車税
 ・個人市県民税(普通徴収)
 ・固定資産税・都市計画税
 ・固定資産税(償却資産)

の4種類となります。

また、対応しているクレジットカードもVISA,MasterCard,JCB,AMERICANEXPRESS,DinersClubの5種類に対応しているため、お持ちのクレジットカードでほぼ対応可能かと思います。

金額も、1千万円未満の納税であれば対応出来るということで、通常であればシステム上の利用上限額の心配も必要ないかと思います。

納付方法ですが、「福岡市税 クレジットカードお支払サイト」より、webにて納付するようになっています。

クレジットカードで福岡市に納税を行う際の注意点ですが、クレジットカードでの納付を行う場合、手数料が発生します。
手数料は納付額1万円刻みで設定されていますが、消費税込みでおよそ0.8%弱の料率が設定されています。

とはいえ、ご自宅で簡単に納付ができるメリットのほか、ポイントの貯まるクレジットカードでポイントを貯められたい場合や、年間一定額以上の利用で年会費が無料となるクレジットカード等で利用額を増やしておきたい方にとってはそれらのメリットもある話ではないかと思います。

相続された家が空き家のままの方へ ~譲渡所得の優遇措置が創設されました~

今年(平成28年)の4月1日から平成31年12月31日までの間に、被相続人の方がお亡くなりになられてそのまま空き家になっていた土地等を売却した場合、一定の要件を満たせば、個人の税金の計算上、売却益のうち3,000万円までを控除出来る制度が創設されました。

不動産の譲渡の際の税率は、計20.315%となるケースが一番多いかと思います。
売却益のうち3,000万円を控除出来れば、税率が20.315%の場合、600万円強、税額が安くなります。

この特例を利用できる具体的な主な要件ですが、

  • 譲渡のタイミングが相続開始日から3年を経過する日である年の年末までであること。
  • 相続または遺贈により引き継いだものであること
  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • マンション等区分所有の建物ではないこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられたタイミングで、被相続人のみがお住まいであったこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられた後、ずっと空き家であったこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、取り壊し済みの土地を貸したり、事業で使ったり、住んだりしていないこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、その後更地のままであること
  • 家屋を取り壊さず土地家屋をセットで譲渡する場合は、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる一定の 基準を満たしていること
  • 譲渡対価が1億円以内であること

などとなっています。

 

なお、この特例を利用する場合、この特例を受ける旨その他必要事項を記載等の上、確定申告を行う必要があります。

その他細かい注意点もございますので、具体的に相談をなされたい方は税理士等へご相談されることをお勧め致します。

Squareレジの無料POSレジアプリとしての実際の使い勝手

前回のブログで、Android端末での使用が今後不可能になるエアレジ(Airレジ)について、Androidで使える無料POSレジアプリの代替策としてSquareレジがあることを取り上げました。

 

しかし、Squareといえば本来はクレジット決済のサービス。そこで、クレジットカード決済以外でSquareレジが無料のPOSレジアプリとしてどこまで使えるか試してみました。

 

 

1.Squareレジを、レジ以外の機能を使わずとにかくカンタンに使う

 

POSレジアプリを、売上分析を行う以外の目的で使っている方も多いかと思います。例えば、

 

  • freeeやMFクラウドなどの会計ソフトにレジから売上が自動で取り込まれるようにしたい。
  • タブレットを活用することで、低コストでレジを入れたい。
  • スペースをあまり使わないレジが欲しいのでタブレットを活用する。

など。

 

その場合、POSレジアプリに求める機能は一般のレジに加えて会計ソフト、会計サービスへのデータ連携が出来れば十分となります。

そして、このような使い方であれば、最初の設定もそれほど大変ではありません。

 

この使い方でのレジ決済の流れですが、以下のようになります。

 

1)商品の金額を入力

Square会計入力

単純に金額を打ち込むだけです。

税抜きで入力して、会計時に税込みに変換するといった設定も可能です。

 

なお、ここで金額だけ打ち込んで精算をすることも出来るのですが、その場合レシートに「任意の金額」とのみ表示されます。

商品名をその場で打ち込めば、商品名も表示されます(1つ1つ商品名を打ち込むと、結構手間ではありますが)。

Square商品名入力

 

2)レジの打ち込みが終わったら、「お会計」ボタンを押して金額の精算

Squareレジ精算

現金、カード、ギフトカード、その他といった中からの支払い方法に加え、現金精算の場合は預かった現金額を選びます。預かった金額が候補に示されていない場合は「任意の金額」を選び、金額を入力します。

 

3)完了

Squareレシート発行

現金1,000円のお預かりと入力すると、892円のおつりと、おつりの金額が計算されました。ここで、Eメール等でレシートを発行、送信したい場合はこの画面上から送信することが出来ます。

 

2.Squareレジで、商品分析や顧客分析も行う

 

Squareには商品の登録も出来ます。

商品を登録することで、レジ画面での商品の選択、商品ごとの売上分析のほかに、在庫管理も可能になります。

 

商品をあらかじめ登録しておけば、その商品を選択することで自動的に金額もレジに反映することが出来ます。

Square商品選択

Square商品精算

 

商品を値引いて販売することもある場合、値引きの設定もあらかじめ行う事なども出来ます。

Square値引き入力

 

また、在庫管理の機能もついています。これを使うことで、在庫の残数量の管理や、実地棚卸を行った際の差異の把握も行うことが出来ます。

Square在庫管理

 

取引データのダウンロードを行うことが出来るため、曜日、時間帯や商品別の売上分析を独自でデータを加工して行うことも出来ます。

square取引データエクスポート

 

顧客管理、顧客分析ですが、こちらはクレジットカード決済の顧客を対象としていて、現金決済の顧客についての顧客分析機能は提供されていないです

Squareの本来のサービスがクレジットカードの決済であることを考えれば、現金決済の顧客に対して顧客分析機能が提供されていないのは仕方がないことかと思います。

エアレジでも顧客分析についてはデータをダウンロード出来なかったりと、無料で使えるサービスだと何かしら機能制限がついてしまいます。顧客分析をしっかり行いたい場合は、有料のサービスを探されるべきかと思います。

エアレジがAndroidに対応しなくなる問題の対応策としてのSquareレジ

無料で使えてPOSレジとしての機能もなかなかのエアレジ(Airレジ)。そんなエアレジが、6月下旬以降、Android端末では使えなくなるとの発表がありました。

 

どうも、エアレジとAppleの関係強化のあおりのようですが。そして、これで困るのが、Android端末でエアレジを使用している場合。

ipadを新たに購入してエアレジを使い続ける場合、ipad miniの一番安いものでも税込3.5万円近く、ipad miniでなく通常のipadを買おうとすると、一番安いもので税込5万円近くしてしまうことになります。

 

エアレジがAndroidに対応しなくなった後でもAndroid端末に無料でPOSレジ機能を持たせる方法はないか?

SquareのPOSレジアプリ、Squareレジを使用することでその問題に対応することが出来ます。

 

Squareの本来のサービスは、Squareが販売しているクレジットカードのリーダーをAndroidやAppleの端末に差し込みカード決済を行うというものですが、クレジットカードのリーダーを購入せずに、Squareレジのアプリだけをダウンロードして使うことも実はできます。

ちなみに、その場合でもクレジットカードの決済も行うことができます。その場合はクレジットカードの情報を直接手打ちで入力することとなり、クレジットカードの決済手数料もリーダーを利用した場合が3.25%なのに対し3.75%と0.5%高くなります。

そして、Squareレジは、クレジットカード決済のみでなく現金や商品券での支払いにも対応することが出来ます。使い方は、SquareのPOSレジアプリのレジ決済の画面で、決済方法で現金や商品券を選ぶだけです。ふつうのPOSレジと、使い方は大きく変わりません。

square-regi

さらに、Squareレジはエアレジ同様、freeeMFクラウドと連携させることで、会計入力の自動化をはかることも可能です。

つまり、顧客管理だとかの機能を使いこなしているわけではなければ、Squareレジに移行してもエアレジで行っていたことをほぼ行うことが出来ます。

 

もうひとつ追加を言えば、Squareレジはレシートを電子メールで送信することが出来るため、レジプリンターを買わなくてもレシートをメールで送信したり、あるいは自身のメールアドレスに送信後すぐに通常のプリンターより印刷することで、(レシートの見た目を気にしなければ)専用のレジプリンターなしでレシートを打ち出すことも可能となります。

 

Squareレジの実際の使い勝手については、今後取り上げたいと思います。

弥生会計オンラインの使い勝手がどんなものか、試してみました

インストール型の会計ソフトでは圧倒的なシェアを誇る弥生会計。この弥生がここ1~2年、クラウド型の会計サービスを続々とリリースし、連携対象も充実させつつあります。

そこで、弥生会計のクラウド型サービスが現時点でどの程度使えるのか。弥生会計オンラインを実際にさわってみて、他の会計サービス、会計ソフトと比較してみました。

以下、その感想です。

 

弥生会計オンラインの良いところ

 

1.仕訳形式での入力がしやすい
メインメニューの画面より「仕訳の入力」を選択するだけで、仕訳の形式で直接入力できるつくりとなっているのは、仕訳形式での会計入力に慣れた方にとっては有り難いと思います。freeeの場合は「振替伝票」より、MFクラウドでも「詳細入力」より仕訳形式の入力は出来ますが、仕訳の入力画面まで行き着く手間は、弥生会計オンラインが一番少ないかなと。
それと、仕訳入力の画面が一番仕訳入力っぽい画面なのも個人的には嬉しいです。また、同じ画面の下の方に仕訳一覧が表示され、コピーボタン1つで入力用仕訳画面にコピー元の仕訳がコピーされるところなども、小さいながらも使い勝手の良いポイントであると思います。

2.仕訳帳から直接取引の入力が可能
弥生会計オンラインは、仕訳帳の画面より「入力の表示」を選択すると、新規の仕訳入力を行うことが出来ます。freeeの場合、仕訳帳より仕訳の修正は出来ても新規の入力が出来ず、MFクラウドも仕訳帳への直接の新規仕訳入力は、β版の使い勝手の悪い機能でしか使うことが出来ません。
仕訳形式の入力に慣れた方が最後に決算関連の仕訳を連続して入力する場合などは、仕訳帳からの直接入力が出来ると作業効率が違ってくるため仕訳帳から直接取引の入力が可能なのは嬉しいです。

3.まとめ仕訳設定ができる
「本機能をご利用になられる場合、あらかじめ税理士などの専門家にご相談されることをおすすめします。」と注意書きが表示される通り、安易に使われてしまうとよろしくない機能ではありますが。弥生会計オンラインでは、スマート取引取込経由で取り込んだ日々大量発生するかつ少額な仕訳を、1ヶ月の締め日ごとに合計してまとめて1本の仕訳としてまとめることが出来ます。
例えば、交通系ICカードから取引を取り込み自動仕訳を作成すると、細かい仕訳が大量に作成され、仕訳帳が分かりづらくなることがあります。そのような場合に、1ヶ月ごとに合算した形式で仕訳作成を選択することが出来ます。
まとめ仕訳設定の機能は、これまで会計ソフトとして展開してきた長年の蓄積を感じさせられました。さすが弥生といったところです。

 

弥生会計オンラインの悪いところ

 

1.取引の自動取込み、自動連携の使い勝手がfreee、MFクラウドに追いついていない
freeeやMFクラウドが、ほとんど手間をかけずに自動連携の設定を行えるようになるのに対し、弥生会計オンラインでの自動連携の設定は、操作方法が分かりづらいこともあり結構手間がかかりました。また、金融機関から取引データを自動で取り込むために、「弥生口座自動連携ツール」というソフトをインストールする必要があること、また、そのソフトがWindowsにしか対応していないことは、クラウドで完結した使用を考えている方、Macでの使用を考えている方にとっては大きなマイナス点だと思います。
また、freeeが標準で請求書の発行から売掛金の入金管理、対応する仕訳の自動作成まで行えるのに対し、弥生会計オンラインではそれら機能が準備されていない点も、freeeと比較して見劣りがします。

2.自動連携先で押さえておいて欲しい先がなかったりする
例えば、AirREGI。AirREGIは、弥生の青色申告オンラインは対応出来ているので、弥生会計オンラインも早めに対応して欲しいところです。他にSquareやCoinyなども。

3.ユーザーインターフェイスがfreee、MFクラウドに追いついていない
これは、実際にそれぞれさわってみて試し比べてみてもらうのが一番良いかと思います。freee、MFクラウドがユーザーインターフェイスの作り込みをものすごく意識しているので、弥生会計オンラインがどうしても相対的に見劣りしてしまいます。
また、例えばMisocaから仕訳データを飛ばす際に会計データで登録がない勘定科目が含まれていた場合、freeeの場合はエラーメッセージ上でどこどこの勘定科目の登録がないとエラーの原因を示してくれましたが、弥生会計オンラインへデータを飛ばした際には、不明なエラーとしか表示がなされませんでした。

4.デスクトップアプリ版と比べて機能が少ない。使い勝手が悪い。
例えば、デスクトップアプリ版では残高試算表の勘定科目をダブルクリックするとその科目の総勘定元帳に飛べるのですが、弥生会計オンラインではそれが出来ません。
細かいところの使い勝手の良さが弥生の良いところなのですが、弥生会計オンラインではまだそれがほとんど実現出来ていないです。
その他、Excelへのデータ書き出しを行える点なども弥生の良いところですが、これも弥生会計オンラインでは機能が実現されていいません。

 

結論


少なくとも現状では、

 

クラウドベースでの使用や会計処理の自動化に重点を置くのであればfreeeかMFクラウド
簿記の形式での入力のしやすさ、使い勝手の良さを求めるのであればデスクトップアプリ版の弥生会計

 

という選択肢にならざるを得ないと思います。

 

freee、MFクラウドと比べると、取引の自動取込み、自動連携の対応範囲や、ソフトの使い勝手が今ひとつです。そして、何よりデスクトップアプリ版の弥生会計と比較して使い勝手が全く追いついていないです。もっとも、

 

  • 取引の自動取込み、自動連携の機能をそこまで使わない。
  • 簿記になじみがあり、とにかく簿記の仕訳の形式で取引処理を行いたい。
  • どうしてもデスクトップアプリではなくクラウドで会計入力を行いたい。

 

以上の条件が揃う場合は、弥生会計オンラインも有力な選択肢の一つになり得ると思います。

 

しかし、上記使い勝手の問題はあくまで現時点での話です。弥生は、これまでのデスクトップアプリとしてのノウハウの蓄積が豊富であり、クラウド請求書のMisocaを買収したりとクラウドサービスに対する姿勢も積極的です。今後弥生会計のオンライン版サービスがどのように進化していくのか、注目しておいても悪くはないと思います。

今年より拡充されたNISAと、その注意点

NISAの制度が今年2016(平成28)年より改正され、利用対象者及び上限額について拡充が行われました。

 

NISAとは、少額投資非課税口座を開設してその口座内で上場株式、ETF,REITや株式投資信託等を購入すると、配当金や売却益などが、非課税となる制度です。

平たく言えば、少額の投資についてこの制度を使えば、儲かっても税金がかからなくて済むという制度です。

 

昨年の平成27年までは、1人年間100万円分の購入分までについて利用することが出来ました。これが、今年平成28年より1人年間120万円分の購入分まで利用することが出来るようになりました。

 

ちなみに、このNISAの制度。現在のところ期間限定です。平成35年までこの制度の存続が予定されており、平成35年までの残り8年間にわたって毎年120万円分を上限に上場株式や株式投資信託を購入して利用することが可能となっています。

 

また、ジュニアNISAと呼ばれる制度が新しく始まり、これまでこの制度を利用できなかった、0歳から19歳までの未成年も年間80万円を上限にこの制度を利用することが出来るようになりました。

 

 

NISAの注意点ですが、従前からの注意点については以前「日本版ISA NISAの上手な活用方法を考える」で取り上げましたので、こちらをご覧頂ければと思います。

 

さらに、今回新たにスタートするジュニアNISAの場合、上場株式等の購入資金の原資についても注意する必要があります。

具体的には、ご本人がもともとお持ちの資金を原資に投資を行うのではなく、例えばお爺さんよりお金をもらってなど、他の方から資金を貰ってジュニアNISAを利用した投資を行う場合、貰った資金について贈与税の非課税限度枠を超える場合は、通常の贈与と同様贈与税が発生することになります。

 

ジュニアNISAの上限額は年間80万円のため、贈与税の非課税限度枠を超えることはないと考えられる方もおられるかと思います。しかし、例えばジュニアNISAのために80万円、その他に100万円、と年180万円を贈与した場合、合算して贈与税の申告を行い納税する必要があります。

このことは、ジュニアNISAにだけでなく通常のNISAであっても同じです。しかし、ジュニアNISAの場合、資金の贈与とセットで行われる場合が多いと考えられるため、とくに注意しておく必要があります。

今年4月からの減価償却制度の改正と、その注意点

今回平成28年度の税制大綱において、平成28年4月1日以降に取得する一部の固定資産につき、定率法による減価償却が出来なくなることが発表されました。

今回税制改正の対象とされている固定資産ですが、建物付属設備及び構築物とされています。建物付属設備とは、おおざっぱに言えば建物と一体で使う設備のことです。建物の電気設備、給排水設備、エレベーターといったものが具体例としてあげられます。構築物とは、おおざっぱ言えば土地に固定させて作るもので建物のように壁がないものです。例えばへい、花壇、道路の舗装といったものが具体例としてあげられます。

これにより、今後は減価償却の方法が定額法に一本化され、税法上早期に取れる償却額が減少することとなります。

 

定率法による償却で早めに減価償却費の計上を行いたい場合、いまから駆け込みで来月3月末までに取得を行う必要があります。

 

しかし、ここで注意点があります。

 

今回の税制改正で、全ての固定資産について定率法による償却が行えなくなる訳ではありません。

例えば自動車であったり、機械や備品といった、建物付属設備や構築物に該当しないものは平成28年4月以降に取得したとしても、これまで通り定率法での償却をおこなう事が可能です。また、建物については既に減価償却の方法が定額法に一本化されています。

 

また、定率法での減価償却を行うには、平成28年3月中に「取得」しなければなりません。なので、3月までに発注だけでなく「取得」まで行えるよう、スケジュールを考える必要があります。

 

もっとも、定率法であっても定額法であっても、時期の早い遅いはありますが、最終的に減価償却を行えることには違いがありません。

従いまして、ケースにもよりますが、建物付属設備や構築物の取得の計画がある方でも、無理に3月中に取得出来るように動くだけの価値があるかと言えば、そこまでの価値がない方も多いのではと思います。

 

※その他、一部鉱業用減価償却資産の減価償却方法も、同日以降に取得する場合につき改正がなされていますが、こちらにつきましては割愛させて頂きます。

福岡市のスタートアップ減税と、スタートアップ向け信用保証負担率0%融資制度

スタートアップカフェの開設等、スタートアップの支援に力を入れている福岡市ですが、ここにきて、本気で事業をスタートアップさせたい人には実効性のある嬉しい施策が2つ出て来ました。

 

1つが、

・スタートアップ法人減税

もう1つが

・創業支援資金スタートアップ資金の保証料料率の0%への引き下げ

 

です。

 

 

スタートアップ法人減税の内容ですが、

 

平成26年5月1日以後に設立され、

福岡市をはじめとする国家戦略特区内に本店を有し、

従業員が基本的に国家戦略特区内で勤務する企業で、

専ら国際、医療、農業、あと、いわゆるIoT分野の事業を行う場合を対象に、

特区法改正(今後予定)の施行の日から平成30年3月31日までの間に特区担当大臣の指定を受けることで、

設立の日から5年間、所得の金額を20%控除。

大ざっぱに言えば法人税が2割程度安くなる

 

というものです。

 

 

創業支援資金スタートアップ資金の保証料料率の0%への引き下げの内容ですが、

 

事業を営んでいない個人であって、福岡市内で新たに開業、または福岡市内で事業を開始後2年以内の方を対象に、

原則、融資限度額1,000万円の範囲内で

10年以内(据置き期間2年以内)の融資期間で、

融資利率1.5%の、信用保証率の負担なしで、

連帯保証人は、法人の場合は代表者のみ、個人の場合は不要で、

融資を受けられる

 

というものです。

 

 

ちなみに、スタートアップ法人減税はまだ正式には実行されることが確定しているわけでなく、あくまで現時点では実行される見通しという状況です(といっても、ほぼ確定と考えて貰ってよいかと思います)。

 

信用保証料率の引き下げは確定で、平成28年2月1日よりの実行となります。

 

 

 

タワーマンション(タワマン)節税の監視強化の報道を、軽く解説してみました。

先日、タワーマンション節税に対する相続税節税の監視強化について各メディアで報道がなされました。

 

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO93575700S5A101C1CR8000/

http://www.asahi.com/articles/ASHC254R6HC2UTIL02C.html

http://www.sankei.com/life/news/151104/lif1511040025-n1.html

 

 

この報道について、税制が変わったといったとらえ方をされている方も多いかと思います。

 

しかし、実はそうではありません。この報道以前から、タワーマンションを利用した過度の節税で否認がなされた話は耳にしていました。各種報道にあるとおり、「チェックを厳しく」「監視強化」と言う話に過ぎません

 

相続税は、相続する財産の評価額に応じて税額が課される税金となっています。

そして、その財産の評価について、法律上は相続税法上第22条の「時価」で評価しましょう。という条文がほぼ全てであったりします。

 

タワーマンションが相続税の節税になる。相続税を計算する際に評価が安くなる。といった話は、相続税の計算にあたり時価をどう計算するかを具体的に取り決めた「財産評価基本通達」という、いわば役所の中での取り決めごとに基づいた話となります。

 

しかも、「財産評価基本通達」の6で、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」。平たく言えば、「この「財産評価基本通達」という役所の中の取り決めごとに従った計算結果が「時価」とは呼べないような結果の場合には、役所の中の取り決めごとに従った評価を行わなくていいよ。」という定めがおかれていたりします

 

相続税の節税(相続税以外の税金でもそうだとは思いますが)は、テクニック論のみで行うべきものではありません。なぜそうなるのかといった趣旨の理解やバランス感覚なく、法の抜け穴感覚で過度の節税を行おうとすると思わぬ落とし穴に陥ることになります。