ついに統一化された地方税電子納税のシステムがスタートします

平成31年10月1日より、地方税共通納税システムがスタートします。

 

地方税共通納税システムとはすべての自治体(都道府県、市町村)に対して利用できる電子納税のシステムです。

 

たとえば、これまで福岡市に本社がある会社であれば国税に加え福岡市は電子納税に対応していても福岡県が電子納税に対応していなかったため、結局金融機関の窓口等に納税に行く必要がありました。

 

これが、地方税共通納税システムのスタート後はすべての自治体で電子納税が可能となります。

 

電子納税の方法には、インターネットバンキングを利用する方法のほか、ダイレクト納付方式によるインターネットバンキングの利用がない場合の対応もなされています。

 

また、対応税目も主要な地方税目はカバーされています。

 

地方税共通納税システムのスタートにより、これまで煩雑で分かりづらかった地方税の納税が統一的に行えるようになり、納税者にとってはより便利となります。

 

世界最大のスタートアップイベントSLASHに行ってきました

昨年12月の話ですが、弊所の顧問先がFGNより、ヘルシンキで行われる出展させて頂けることになり、ヘルシンキまでついて行ってまいりました。

 

出展者は大企業が多く、スタートアップ企業の出展も国際展開できるプロダクトの準備が必要であることを感じましたが、世界的なスタートアップの風を感じる良い機会となりました。

 

お連れいただいた企業様には、良い機会を頂き、大変有り難うございました。

 

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教育資金贈与の非課税措置の縮小検討と2019年度税制改正

2019年度の税制改正において、直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置の縮小が議論されていると、日本経済新聞の記事にありました。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置とは、曾祖父、曾祖母、祖父、祖母、父、母といった直系尊属がひ孫、孫や子に対しして教育資金として一定の信託銀行、銀行、証券会社などに金銭を拠出した場合につき、上限1,500万円まで贈与につき贈与税を非課税とするものです。

この教育資金の贈与を受けた方は、対象となる学費等の費用にこの教育資金を充てることが出来ます。仮に、贈与を受けた教育資金を使い切れなかった場合、贈与を受けられた方が30歳になったときに、残額に対して通常の贈与税が課税される形で、この制度の利用が終了することとなります。

この制度は、教育資金に充てる金額について贈与額がまるまる非課税となるため、現預金に余力のある方の将来の相続税の節税について非常に効果的であり、制度の導入時にも記事で取り上げました。

制度の縮小内容の案としては、贈与の対象金額の縮小や、贈与を受ける方に所得制限を設ける案が挙げられているようです。

この制度は、もともと2018年度末で一旦打ち切りとなっており、2019年度以降は、再継続するものの、制度の縮小が図られることが議論されているようです。

相続税の対策を進めたい方で、将来学費が必要となるお子様、お孫様やひ孫様がおられ、現預金の余力がある方について、この直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置は非常に効果的な制度です。駆け込みでの利用もぜひ検討されるべきかと思います。

 

 

相続時精算課税選択時の必要書類と注意点

相続時精算課税の制度とは、この制度を選択すると、それ以降に行う贈与に対する税金について、一般的な暦年課税による贈与税の計算に代えて、この制度の贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時の相続税の計算上、相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の時価)を加算して相続税額を計算することで最終的に税額の精算を行う制度です。

この制度は、原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択ができます。

相続にあたってのタックスプランニングの観点からは、この制度を活用すべき場面はきわめて限定的なため、弊所ではこれまで相続時精算課税の制度を利用する提案を行う事例がなかったのですが、今回、将来相続税が発生しないことがほぼ確実な方より、お子様にまとめて財産を贈与したいという相談を受け、初めて相続時精算課税の制度を利用する提案を行いました。

相続時精算課税の制度の選択を行う一般的なケースの場合、その選択届出書に以下の3つの書類を添付する必要があります。

(1) 受贈者の戸籍の謄本又は抄本その他の書類で、次の内容を証する書類

  •  受贈者の氏名、生年月日
  •  受贈者が贈与者の推定相続人である子又は孫であること

(2) 受贈者の戸籍の附票の写しその他の書類で、受贈者が20歳に達した時以後(または平成15年1月1日以後)の住所又は居所を証する書類

(3) 贈与者の住民票の写しその他の書類(贈与者の戸籍の附票の写しなど)で、次の内容を証する書類

  •  贈与者の氏名、生年月日
  •  贈与者が60歳に達した時以後(または平成15年1月1日以後)の住所又は居所

ここで注意しないといけないのが、平成15年1月1日以降から現在までの住所又は居所について証する書類が必要になるという点です。住所および本籍地の変更がある方の場合、戸籍の附票の写しを過去の戸籍分まで遡って取得するなどの対応が必要になる場合があります。

その場合、戸籍の附票の写しを過去本籍のあった市町村からそれぞれ取り寄せる必要があります。

多少の手間で対応できる話ではありますが、現在の戸籍の附票の写しや住民票だけで必要書類が足りないケースがある点、要注意なポイントではあります。

福岡都市圏の住宅地と平成30年度の路線価の上昇

福岡都市圏の平成30年度の路線価の上昇率。
前回は、福岡市の都心部について取り上げましたが、続編として福岡市南区で平成29年度の記事と同一地点を対象とし、福岡市近郊~郊外の住宅地について取り上げてみます。

 


1箇所目は油山のふもとにある福岡市南区柏原の、とあるところ。

こちらの路線価は、

 

平成29年度から1年間の路線価上昇率:5.6万円→5.7万円(1.7%の上昇)

 


こちらの場所については、昨年度と同様、路線価の最小刻みの1千円だけ評価額が上がっておりました。

上昇率も、昨年度とあまり変わりません。

 

 

2箇所目は大橋から少し南に下ったところにある曰佐の、とあるところ。

こちらの路線価は、

 

平成29年度から1年間の路線価上昇率:8.6万円→9.7万円(12.8%の上昇)

 

昨年度の上昇率3.6%から打って変わり、1割強の上昇率となりました。この12.8%という上昇率は、前回の記事で取り上げた天神パルコ前をも上回る上昇率です。

 

 

3箇所目は中央区に近くよりまちなかである高宮の、とあるところ。

こちらの路線価は、

 

平成29年度から1年間の路線価上昇率:16.0万円→18.0万円(12.5%の上昇)

 

昨年度は6.7%の上昇でしたが、こちらも今年度は1割を超える上昇率となっています。

昨年度は、都心部と比較して穏やかな路線価の上昇率となっていましたが、今年は都心に近いエリアの路線価が急激に上昇し、都心部の路線価の上昇率を上回るという意外な結果になりました。 

福岡市近郊の住宅地にご自宅をお持ちの方で、これまでの地価であれば相続税が発生しなかった方でも、昨今の地価の上昇とそれに伴う路線価の上昇により、相続税が発生するなどということも考えておく必要があるかもしれません。

今年も続く福岡都心部の路線価の急激な上昇

平成30年7月1日に、平成30年分の路線価が国税庁より公表されました。

福岡都市圏の地価は、ここ数年の激しい上昇がまだまだ継続しており、一昔前の感覚ではついて行けない水準での取引が続いております。

昨年度、平成29年度の福岡都心部の路線価が、昨年の平成28年度の路線価と比較してどの程度変動したのかについて記事を書かせて頂きましたが、

同地点の平成30年度の路線価が平成29年度と比較してどのように変化したか、調べてみました。

最初に、弊所のある場所の路線価です。弊所は福岡市中央区高砂、地下鉄渡辺通駅と西鉄及び地下鉄の薬院駅の近辺に位置しております。商業地と住宅地が混合しているエリアですが、都心回帰の流れを受け、人口増加率の高い福岡市の中でもマンション開発が非常に盛んなエリアです。

 

 

弊所のある場所の路線価ですが、

 

平成29年度から1年間の路線価上昇率:23.5万円→25.5万円(8.5%の上昇)

 

昨年度に引き続き、今年も1年間で1割近い上昇です。

 

 

 

次に、福岡市最大の繁華街天神で、渡辺通りのパルコ横の路線価の上昇率です。

結果、

 

平成29年度から1年間の路線価上昇率:630.0万円→700.0万円(11.1%の上昇)

 

こちらは、1年間で11.1%と、昨年度に引き続き対前年比で1割を超える激しい上昇率となっています。

 

 

最後に、九州新幹線の開通と前後した駅前再開発や、地下鉄七隈線の延伸で近年勢いがある博多駅近辺について、大博通りの日航ホテル横の路線価です。

結果ですが、

 

平成28年度から1年間の路線価上昇率:316.0万円→373.0万円(18.0%の上昇)

 

こちらは1年間で18.0%と、昨年度に引き続き、対前年比ほぼ2割の上昇率となっておりました。

 

3カ所とも、昨年度よりわずかに上昇率が減少していますが、昨年度と同水準での路線価の上昇率となっている結果、

2年前の平成28年度と比較しますと、それぞれ18.6%、25.0%、40.1%ときわめて急激な上昇となっています。

 

相続税は相続財産の評価額に応じた累進課税となっているため、相続税額への影響率は、路線価の上昇率以上となります。

 

ここまで路線価が急激に上昇すると、2年前の地価を前提にした相続対策でさえ、もはや使い物にならない可能性も考えておく必要があります。

 

たとえ2年前、3年前に一度相続税の試算をされた方も、改めて相続税額の試算を行い直し、相続のプランを再度検討する必要がある可能性も、想定しておくべきです。

 

モザンビークに出張して来ました

今月は、国際税務の業務でモザンビークに出張して来ました。

モザンビークは、租税条約を締結している相手国が10カ国程度しかなく、普段日本で仕事を行っている私としては、新鮮な衝撃でした。

日本とも租税条約は締結されていないです。

もっとも、UAEのみに限定されますが、UAEとの租税条約では配当と利子の源泉税が0%となっており、UAEと取引を行う分には使い勝手は良いです。

モザンビークの件は、気が向けば引き続き取り上げていこうと思います。

福岡市への納税をクレジットカードで行えるようになりました

平成28年分の税金より、国税のみでなく、福岡市への納税もクレジットカードにて行う事が出来るようになりました。

クレジットカードでの納付が可能となった税の税目ですが、

 ・軽自動車税
 ・個人市県民税(普通徴収)
 ・固定資産税・都市計画税
 ・固定資産税(償却資産)

の4種類となります。

また、対応しているクレジットカードもVISA,MasterCard,JCB,AMERICANEXPRESS,DinersClubの5種類に対応しているため、お持ちのクレジットカードでほぼ対応可能かと思います。

金額も、1千万円未満の納税であれば対応出来るということで、通常であればシステム上の利用上限額の心配も必要ないかと思います。

納付方法ですが、「福岡市税 クレジットカードお支払サイト」より、webにて納付するようになっています。

クレジットカードで福岡市に納税を行う際の注意点ですが、クレジットカードでの納付を行う場合、手数料が発生します。
手数料は納付額1万円刻みで設定されていますが、消費税込みでおよそ0.8%弱の料率が設定されています。

とはいえ、ご自宅で簡単に納付ができるメリットのほか、ポイントの貯まるクレジットカードでポイントを貯められたい場合や、年間一定額以上の利用で年会費が無料となるクレジットカード等で利用額を増やしておきたい方にとってはそれらのメリットもある話ではないかと思います。

相続された家が空き家のままの方へ ~譲渡所得の優遇措置が創設されました~

今年(平成28年)の4月1日から平成31年12月31日までの間に、被相続人の方がお亡くなりになられてそのまま空き家になっていた土地等を売却した場合、一定の要件を満たせば、個人の税金の計算上、売却益のうち3,000万円までを控除出来る制度が創設されました。

不動産の譲渡の際の税率は、計20.315%となるケースが一番多いかと思います。
売却益のうち3,000万円を控除出来れば、税率が20.315%の場合、600万円強、税額が安くなります。

この特例を利用できる具体的な主な要件ですが、

  • 譲渡のタイミングが相続開始日から3年を経過する日である年の年末までであること。
  • 相続または遺贈により引き継いだものであること
  • 昭和56年5月31日以前に建築されたこと
  • マンション等区分所有の建物ではないこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられたタイミングで、被相続人のみがお住まいであったこと
  • 被相続人の方がお亡くなりになられた後、ずっと空き家であったこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、取り壊し済みの土地を貸したり、事業で使ったり、住んだりしていないこと
  • 空き家を取り壊し済みの場合、その後更地のままであること
  • 家屋を取り壊さず土地家屋をセットで譲渡する場合は、地震に対する安全性に係る規定又はこれに準ずる一定の 基準を満たしていること
  • 譲渡対価が1億円以内であること

などとなっています。

 

なお、この特例を利用する場合、この特例を受ける旨その他必要事項を記載等の上、確定申告を行う必要があります。

その他細かい注意点もございますので、具体的に相談をなされたい方は税理士等へご相談されることをお勧め致します。

Squareレジの無料POSレジアプリとしての実際の使い勝手

前回のブログで、Android端末での使用が今後不可能になるエアレジ(Airレジ)について、Androidで使える無料POSレジアプリの代替策としてSquareレジがあることを取り上げました。

 

しかし、Squareといえば本来はクレジット決済のサービス。そこで、クレジットカード決済以外でSquareレジが無料のPOSレジアプリとしてどこまで使えるか試してみました。

 

 

1.Squareレジを、レジ以外の機能を使わずとにかくカンタンに使う

 

POSレジアプリを、売上分析を行う以外の目的で使っている方も多いかと思います。例えば、

 

  • freeeやMFクラウドなどの会計ソフトにレジから売上が自動で取り込まれるようにしたい。
  • タブレットを活用することで、低コストでレジを入れたい。
  • スペースをあまり使わないレジが欲しいのでタブレットを活用する。

など。

 

その場合、POSレジアプリに求める機能は一般のレジに加えて会計ソフト、会計サービスへのデータ連携が出来れば十分となります。

そして、このような使い方であれば、最初の設定もそれほど大変ではありません。

 

この使い方でのレジ決済の流れですが、以下のようになります。

 

1)商品の金額を入力

Square会計入力

単純に金額を打ち込むだけです。

税抜きで入力して、会計時に税込みに変換するといった設定も可能です。

 

なお、ここで金額だけ打ち込んで精算をすることも出来るのですが、その場合レシートに「任意の金額」とのみ表示されます。

商品名をその場で打ち込めば、商品名も表示されます(1つ1つ商品名を打ち込むと、結構手間ではありますが)。

Square商品名入力

 

2)レジの打ち込みが終わったら、「お会計」ボタンを押して金額の精算

Squareレジ精算

現金、カード、ギフトカード、その他といった中からの支払い方法に加え、現金精算の場合は預かった現金額を選びます。預かった金額が候補に示されていない場合は「任意の金額」を選び、金額を入力します。

 

3)完了

Squareレシート発行

現金1,000円のお預かりと入力すると、892円のおつりと、おつりの金額が計算されました。ここで、Eメール等でレシートを発行、送信したい場合はこの画面上から送信することが出来ます。

 

2.Squareレジで、商品分析や顧客分析も行う

 

Squareには商品の登録も出来ます。

商品を登録することで、レジ画面での商品の選択、商品ごとの売上分析のほかに、在庫管理も可能になります。

 

商品をあらかじめ登録しておけば、その商品を選択することで自動的に金額もレジに反映することが出来ます。

Square商品選択

Square商品精算

 

商品を値引いて販売することもある場合、値引きの設定もあらかじめ行う事なども出来ます。

Square値引き入力

 

また、在庫管理の機能もついています。これを使うことで、在庫の残数量の管理や、実地棚卸を行った際の差異の把握も行うことが出来ます。

Square在庫管理

 

取引データのダウンロードを行うことが出来るため、曜日、時間帯や商品別の売上分析を独自でデータを加工して行うことも出来ます。

square取引データエクスポート

 

顧客管理、顧客分析ですが、こちらはクレジットカード決済の顧客を対象としていて、現金決済の顧客についての顧客分析機能は提供されていないです

Squareの本来のサービスがクレジットカードの決済であることを考えれば、現金決済の顧客に対して顧客分析機能が提供されていないのは仕方がないことかと思います。

エアレジでも顧客分析についてはデータをダウンロード出来なかったりと、無料で使えるサービスだと何かしら機能制限がついてしまいます。顧客分析をしっかり行いたい場合は、有料のサービスを探されるべきかと思います。