Origamiの買収劇と2020年代の始まり

日本におけるQRコード決済事業の先駆者であったOrigamiが、

メルカリに買収されることになりました。

 

一説には、タダ同然での買収であったと言われています。

一時期は400億円を超える企業価値の評価がされていたOrigamiが、

事業分野としてスポットライトがど真ん中に当たってしまったが故に

最も激しいレッドオーシャンと化し

100億円単位の販促費の殴り合いに巻きこまれ

タダ同然での身売りを余儀なくされたことにスタートアップの不条理さを憶えます。

スタートアップは先行者である事業分野が脚光を浴びることが不幸を招くこともあるものだと。

 

と同時に、今回のOrigamiの件は、2010年代の終焉と2020年代の始まりの象徴的な先駆的出来事かもとも思います。

 

2010年代(=去年まで)は、デジタルイノベーションが大正義。

なんとなくイノベーティブでスケールしそうな事を言っていればもてはやされていた時代だったと思います。


しかし、2020年代は、イノベーティブでスケールしそうな雰囲気があればなんでも良かったという宴が終わり、

「選別」が始める。

昨年までもその動きは出てきつつありましたが、これからその「選別」の動きがさらに加速するのではないかと。

 

スタートアップは2010年代では善と考えられていたものについて、

それが一時的な熱狂に過ぎないのか普遍的な本物なのかを見つめ直し、

2020年代のパラダイムシフトに備える必要があると私は考えます。

 

特に今後のビジネス展開を考える際、昨年までもてはやされていたものについて一度疑いの目を持ちながら

考えてみることは、これまで以上に重要になるかと思います。

WeWorkに思う

WeWorkが巷を賑わせていますが、

賑わっている話題とは別に私が思うこと。

 

私としては、WeWorkのあの賃料は本当にスタートアップのことを考えているのか、

それとも、所詮稼ぐ力を既に備えている方々のための楽園しか提供する気がないのか、そこが不満に思います。

 

机1つのスペースしかない個室を借りるだけで月9万円。

それだけ家賃を出せれば、福岡ならば都心部でも2LDKのマンション程度なら十分借りれます。

 

独立してされている方でも、もともと安定して稼ぐ力のあり収益が確保出来ている方が利用する分には良いと思うのですが、

まだ収益力がヨチヨチ歩きでとにかくキャッシュが尽きないことが大切な初期段階のスタートアップがキラキラ感に惹かれて入居したがったりするのを見ると、頭が痛いです。

 

WeWorkはスタートアップのキラキラ感に対する欲望を満たすのに上手いところを突いているとは思いますが、

スタートアップ側としてはWeWorkに入居して良いステージにあるのか、それとも本当はガレージくらいでやるべきステージなのか。

 

キラキラした自己高揚感にだまされず、しっかりと見極めて欲しいところです。