日本におけるQRコード決済事業の先駆者であったOrigamiが、
メルカリに買収されることになりました。
一説には、タダ同然での買収であったと言われています。
一時期は400億円を超える企業価値の評価がされていたOrigamiが、
事業分野としてスポットライトがど真ん中に当たってしまったが故に
最も激しいレッドオーシャンと化し
100億円単位の販促費の殴り合いに巻きこまれ
タダ同然での身売りを余儀なくされたことにスタートアップの不条理さを憶えます。
スタートアップは先行者である事業分野が脚光を浴びることが不幸を招くこともあるものだと。
と同時に、今回のOrigamiの件は、2010年代の終焉と2020年代の始まりの象徴的な先駆的出来事かもとも思います。
2010年代(=去年まで)は、デジタルイノベーションが大正義。
なんとなくイノベーティブでスケールしそうな事を言っていればもてはやされていた時代だったと思います。
しかし、2020年代は、イノベーティブでスケールしそうな雰囲気があればなんでも良かったという宴が終わり、
「選別」が始める。
昨年までもその動きは出てきつつありましたが、これからその「選別」の動きがさらに加速するのではないかと。
スタートアップは2010年代では善と考えられていたものについて、
それが一時的な熱狂に過ぎないのか普遍的な本物なのかを見つめ直し、
2020年代のパラダイムシフトに備える必要があると私は考えます。
特に今後のビジネス展開を考える際、昨年までもてはやされていたものについて一度疑いの目を持ちながら
考えてみることは、これまで以上に重要になるかと思います。