結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度の使いどころ -その2/2-

平成27年4月よりスタートした、「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」

 

前回のブログで取り上げたとおり、
この制度は、節税対策という観点からはあまり使える制度ではありません

 

しかし、節税対策に限定せず相続問題に総合的に取り組む場合、相続対策の選択肢を広げてくれる制度であったりします。

 

例えば、お孫様が4名おり、うち2名にそれぞれ1名ずつのお子様(ご本人様から見ればひ孫様)がおられる場合。

 

ひ孫様2名に教育資金の一括贈与の非課税制度を活用して贈与を行おうとした場合、お孫様4名のうち、お子様がおられる2名と、まだおられない2名の間で贈与について不平等が生じてしまいます。

 

かといって、それを調整するためにお子様がまだおられないお孫様2名にも同額の贈与を実行すると、その贈与に対して贈与税が課されてしまう。

 

このような場合に、まだお子様のおられないお孫様2名に対しては結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を活用した贈与を実施することで、お孫様4名の間で不平等感を与えることなく、教育資金の一括贈与の非課税制度を活用する道筋を開けることとなります。

 

このように、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度はそれ単体では節税対策としてはあまり役立たない制度ですが、他の制度と組み合わせながら総合的に相続対策を進める上において、活用出来る有意義なツールの一つであると私は考えます。

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度の使いどころ -その1/2-

平成27年4月より、「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」がスタートしました。

この制度は、祖父、祖母、父、母等の直系尊属の方が20歳以上50歳未満の方に対して結婚および子育てのために将来充てる資金を一定の方法により贈与し、所定の届出を行った場合に1,000万円まで(うち、結婚に充てられる資金は300万円まで)について贈与税が非課税となる制度です。

対象となる結婚・子育て資金ですが、具体的には、

結婚資金・・・・挙式費用、結婚披露宴の費用、新居の入居、引っ越し費用等
子育て資金・・・不妊治療・妊婦検診に要する費用、出産のための入院費、分娩費等、子供の医療費、幼稚園・保育園等の保育料等

となっています。

 

実は、この制度、節税対策としてはほとんど活用する意味がありません

 

なぜなら、

結婚や子育て資金も、発生した費用を祖父、祖母、父、母等に払ってもらう分には贈与税はそもそも原則非課税であり、

また、

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度は教育資金の一括贈与の非課税制度と違い、この制度の利用期間中に資金の贈与者がお亡くなりになってしまった場合、結婚・子育て資金として未使用の残額について相続税の対象となってしまう

からです。

 

節税対策として見た場合の唯一の利点は、祖父や祖母から贈与を受けた場合に、贈与者である祖父、祖母の相続が発生した場合に、対象財産がいわゆる相続税額の2割加算の対象から外れることくらいです。

 

では、節税対策という観点だけから見ればあまり意味のないこの制度、活用方法は本当にないものなのでしょうか?

 

それについては、次回取り上げてみます。

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