平成27年4月よりスタートした、「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」

 

前回のブログで取り上げたとおり、
この制度は、節税対策という観点からはあまり使える制度ではありません

 

しかし、節税対策に限定せず相続問題に総合的に取り組む場合、相続対策の選択肢を広げてくれる制度であったりします。

 

例えば、お孫様が4名おり、うち2名にそれぞれ1名ずつのお子様(ご本人様から見ればひ孫様)がおられる場合。

 

ひ孫様2名に教育資金の一括贈与の非課税制度を活用して贈与を行おうとした場合、お孫様4名のうち、お子様がおられる2名と、まだおられない2名の間で贈与について不平等が生じてしまいます。

 

かといって、それを調整するためにお子様がまだおられないお孫様2名にも同額の贈与を実行すると、その贈与に対して贈与税が課されてしまう。

 

このような場合に、まだお子様のおられないお孫様2名に対しては結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を活用した贈与を実施することで、お孫様4名の間で不平等感を与えることなく、教育資金の一括贈与の非課税制度を活用する道筋を開けることとなります。

 

このように、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度はそれ単体では節税対策としてはあまり役立たない制度ですが、他の制度と組み合わせながら総合的に相続対策を進める上において、活用出来る有意義なツールの一つであると私は考えます。