勤務医と、給与所得者の特定支出控除

前回取り上げた、給与所得者の特定支出控除ですが、特定支出が給与所得控除の半分を超えると、その超えた額の分所得が控除されるというものでした。

 

そして、年間いくら以上の特定支出があれば控除の対象になるかの具体的な金額は、年収500万円の方で77万円、年収800万円の方で100万円、年収1,000万円の方で110万円となります。

 

ところで、平成29年以降は年収1,000万円を越えても給与所得控除が頭打ちとなります。その結果、年収1,000万円以上の方は給与所得控除の額は220万円となり、おそらく年間110万円前後を越える特定支出が発生する方は、特定支出控除で税金の還付を受けられる対象になると思われます。

 

最近勤務医の方とお話する機会が多いのですが、勤務医の方から、学会や諸会費で自腹となる経費が多く、また、専門書籍も高額なものが多いということをよく伺うので、勤務医の方数名に、この制度を利用することで税金の還付を受けられそうか聞いてみました。

 

結果は、自腹で航空券を手配して学会に行く機会はあるものの、給与所得者の特定支出控除の制度を利用することで税金の還付が受けられるだけの額の自腹での特定支出がある方はいて10人に1人程度ではないかという結論となりました。

 

とはいうものの、自費で海外に複数回行かれる方、海外に研修に行かれる際にエコノミークラスでなくプレミアムエコノミーやビジネスクラスを利用される方は、確定申告を行い給与所得者の特定支出控除を利用することで、税金の還付を受けられる可能性が結構あると思われます。