MRIインターナショナルの投資事件がニュースになった際に作成したものの、書いた内容が当たり前すぎてボツにした原稿があったのですが、新日本監査法人時代に同じ監査チームで仕事をしていた五十嵐さんと別件で意見交換をしていた結果、金融リテラシーの向上に資するためには、分かっている人にとっては当たり前すぎることを話題にすることも大切と思い、以下公開することとしました。

これまで、資金を調達する側の立場も投資する側の立場も経験してきましたが、少なくとも言えることが一つあります。

それは、

1.不特定多数の
2.小口資金を(少なくとも百万円単位は小口)
3.派手な広告で集めていて
4.高い利回りを謳っている

場合、 高い確率でどこかで破たんするということです。

投資商品のニュースをウォッチされている方であれば、他にも同様の例がいくつも思い浮かぶかと思います。

資金を調達する側からすれば、限られた少数の方から大口の資金を集めた方が、不特定多数の方から小口の資金を集めるよりも手間もコストもかからないし、広告を打たずに資金が集まるのであれば広告を打つ費用なんて掛けたくないし、たとえ儲かる事業であっても低い利回りで投資家が集まる案件であれば、よりによって見ず知らずの小口の投資家なんかに好き好んで高い利回りを払うようなことは普通はしません。

好条件の商品で、わざわざ広告を打ってまで不特定多数の小口資金を集める理由はほぼ一つ。大口投資家が資金を出さない案件に対し、大口投資家に比べ投資に関する情報や知識に乏しい投資家に資金を出してもらうためです。

しかし、1,365億円もよく集まったものです。言い換えるならば、日本国民全員から1,000円ちょっとずつ集めたのと同じ金額です。