前回、贈与実施の年の1月1日時点で20歳以上の方が祖父、祖母、父、母といった直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税について、平成25年税制改正で平成27年以降贈与実施分よりどのように税制が変わるかお伝え致しました。今回は、その税制改正による贈与税の具体的影響額についてです。

以下、前回お伝えした金額に、基礎控除額110万円を加味して考えていきます。

基礎控除110万円を加味して年間410万円までの贈与については、今回の税制改正の影響がありませんので贈与税の税額が変わりません。

そして、年間510万円贈与の場合で贈与税額は55万円から50万円へと5万円の減税、年間710万円の贈与の場合で115万円から90万円へと25万円の減税、年間1,110万円の贈与で275万円から210万円へと65万円の減税、年間1,610万円の贈与で525万円から410万円へと115万円の減税、年間3,110万円の贈与で1,275万円から1,085万円へと190万円の減税、そこから年間4,610万円の贈与までは減税額は190万円で変わらず。

贈与額が年間4,610万円を超えると贈与税の減税額は減少していき、年間8,410万円の贈与では減税額は0、そして贈与額が年間8,410万円を超えると逆に増税となります。

今回の税制改正では、相続税は明らかに増税となっていますが、贈与税に関しては、贈与実施の年の1月1日時点で20歳以上の方が祖父、祖母、父、母といった直系尊属から贈与を受ける場合は年間8,410万円までの、それ以外の贈与の場合は年間3,610万円までの贈与の場合は、税制改正適用後のほうが贈与税が減少、あるいは同額となっています。つまり、同年内によほど多額の贈与を行わない限りは減税方向の改正となっています。

今回の税制改正で、個人事業から法人へという流れに加え、相続から生前贈与へという流れが税制面から指し示されたということが出来るのではないでしょうか。