暦年贈与よりも相続時精算課税を利用することをお勧め出来る場合についてなのですが、

1.これから生む収益+将来の評価額が、現在の評価額よりも高くなることが見込まれる資産がある場合
2.税務的な財産評価上の問題で、資産を生前のあるタイミングで贈与すると評価額が下がる場合
3.最終的により多くの財産を下の世代に残したい、という以外の理由で早めに多額の財産を移転させたい場合

のどれかに該当して、「はじめて」相続時精算課税を利用したほうが良い「可能性」が出てくる、裏を返せばこれらの条件に該当しない場合は相続時精算課税を利用する意味はないと考えています。

しかし、

1.については土地の値上がりが当たり前だった昔ならともかく、低金利下、そして高収益が見込める資産もこのご時世そんなには存在しない。とうことで該当するケースは限られる(インフレ傾向が出てくればまた別ですが)。
2.については、そうなるケースはあれど、これに該当するという結論に行き着くためにはかなり本格的な相続対策の検討が必要。
3.についても、このようなケースはレアケース。

そう考えると、簡単には成り立たない条件のどれかに該当してはじめて検討のスタート地点に立てる制度であり、お勧めできるケースは極めて限られると私は考えています。

たまたま相続時精算課税についての質問が続いたので話題にしてみました。